連載 ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来・3
コミュニティとウェルビーイング—地域の視点で患者の幸せを捉える
秋山 美紀
1
,
清水 幸裕
2,3
,
前野 マドカ
4
1慶應義塾大学環境情報学部
2特定医療法人財団五省会 西能病院 内科
3前南砺市民病院
4EVOL株式会社
pp.604-608
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350070604
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はじめに
患者が治療のために病院で過ごす時間は,その人の長い人生のうちのごく短い期間に過ぎません。介護保険制度がスタートしてから四半世紀が経ち,病院とは治療の場であり,治療が終われば患者は「住まい」へ帰っていくというフローや認識が定着してきました。しかし目の前の患者のウェルビーイングを考えるにあたって,私たちはどこまでその人が暮らす地域や帰属するコミュニティに思いをはせることができているでしょうか。その人には大切にしているつながりやコミュニティはあるのでしょうか。そこでその人らしい幸せや生きる意味を見いだせているのでしょうか。今回は,「コミュニティ」という切り口から,患者のウェルビーイングを考えていきましょう。

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