特集 パワーを掌り,組織で活躍する 影響力を発揮し続けるために
実践コラム 『パワーを掌る』私の活用方法
イエスマンな私を変えた,絶妙な部下マネジメント
大西 美穂子
1
1株式会社インタートレード 人材開発室
pp.38-39
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350010038
- 有料閲覧
- 文献概要
昔の私は完全なイエスマンでした。昭和世代の私にとって,上司の言うことは絶対。どんなに納得がいかなくても「はい!」と答えるのが当たり前でした。そのため,今の会社に転職し,上司から「自分の意見はないの?」と聞かれたときは衝撃的で,「自分の意見を言っていいの!?」と前職との組織風土の違いに驚いたことを今でも鮮明に記憶しています。これまで「先輩や上司には黙って従うもの」と思い込んできたため,そもそも自分の意思や考えがどのようなものなのかもよく分かっておらず,突然意見を求められ戸惑いを覚えたことも,今となってはいい思い出です。
さて,そんな私の現在の上司は,どんな立場の相手にも真摯に向き合ってくれる人です。多様な意見に耳を傾け,決して否定しないので,周りにいる私たちも安心して意見を言うことができます。上司は仕事以外の話題,例えば家族や趣味の話もしてくれるので,私もいつしか自然と心を開いていました。仕事やプライベートの悩みも話せるようになることで,信頼関係がより深まったと実感しています。そしてこうした環境で働いていると,自然と「上司の期待に応えたい」という気持ちが芽生え,仕事への意欲や熱意も高まります。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.