特集 パワーを掌り,組織で活躍する 影響力を発揮し続けるために
実践コラム 『パワーを掌る』私の活用方法
コンフリクト・マネジメントは,日々の丁寧な相互作用の積み重ねである
清水 祐
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1東京曳舟病院看護部 教育研究支援室
pp.39-40
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350010039
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医療従事者の労働環境の特性もさることながら,看護師は,病院組織のヒエラルキーの中で多職種の調整役となるとともに,多重業務に同時並行で対応するため,常に緊迫感を抱き視野狭窄となることによりコンフリクトに陥りやすい。また,そのような状況をマネジメントする看護管理者は,より一層コンフリクトに遭遇しやすいと言える。
現在,私は「組織をデザインする」ということをコンセプトに,看護部の研修設計から人材育成までを統括している。管理者を支援する存在として伴走し,現場目線で人材育成の仕組みを計画・実施するよう心がけている。一方,すぐに成果の表れることではないため,「今,問題になっていない」「やらないとだめですか」と言う管理者も一定数いるという現実がある。そして,残念ながら,管理者のそうした消極的な意識や姿勢は,おのずとその部署全体に色濃く反映されることになる。そのような状況を目の当たりにすると,つい人材育成の必要性を説くために熱くなってしまう場面もある。しかし,本書にあるように,摩擦や対立が起きている状況では,徹底的に穏やかに対応することが非常に重要である。ビジネスにおいて怒りは何にもならない,マイナスしかないと言われているように,“cool head”で対応する。
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