徹底分析シリーズ 腎臓を守れ!麻酔科医
腎機能低下患者への体液管理のストラテジー―過剰にも不足にもしない絶妙なバランスが必要
豊田 大介
1
,
篠田 重男
1
,
小竹 良文
1
Daisuke TOYODA
1
,
Shigeo SHINODA
1
,
Yoshifumi KOTAKE
1
1東邦大学医療センター大橋病院 麻酔科
pp.962-966
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101940
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体液管理,循環管理は,腎臓の恒常性維持機能に大きく依存している。腎機能低下患者では,恒常性維持機能も低下している可能性が高いことはある意味自明であり,慎重なストラテジーが必要であることは,読者にも賛同いただけるだろう。
しかし,具体的にどの恒常性維持機能が低下しているのか,その程度と一般的な腎機能の指標は並行しているのか,この機能低下を代償するためにいかなるストラテジーが適切か,は明らかではない。また,腎機能低下患者において,麻酔管理が術後の腎機能に及ぼす影響について最近新しい知見1)が得られたが,ほかに参考となるものは見当たらない。
したがって本稿は,エビデンスにもとづいたというより,筆者の個人的な見解が主体となる。
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