作業療法ジャーナル 第60巻記念企画
コラム:障害者権利条約の浸透を
藤井 克徳
1
1認定NPO法人日本障害者協議会
pp.80
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540600010080
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まずは,作業療法士の皆さんの障害分野との関係が旧来に増して深まっていることに心強さを覚えるのと同時に,あらためて敬意を表します.具体的には,障害のある人の地域生活を支える各種の事業所に作業療法士が着実に増えていることであり,地域の支援ネットワークにも少しずつ定位置を占めるようになっています.「本籍」をリハビリテーション医学に置きながらも,「現住所」のウイングを広げていることは,疾患や障害のある人の暮らしの向上に掛けがえのない意味をもたらすのではないでしょうか.
さて,障害分野のこの約10年間を概観してみましょう.新たなステージに移行したといっていいと思います.そのきっかけとなったのが,2014年(平成26年)の「障害者権利条約」(以下,権利条約)の批准でした.かたちだけの批准を避けたかった日本障害フォーラム(Japan Disability Forum:JDF)を中心とする障害団体は,一致して批准の前提となる条件をいくつか掲げました.「障害者基本法」の抜本改正〔2011年(平成23年)〕は,批准のための条件整備の一環でした.「障害者差別解消法」の施行〔2016年(平成28年)〕もこうした流れに位置づけられます.
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