連載 “出かけたい!”をかなえる—その人・その地域に合った移動を支える・第6回【最終回】
地域ケア会議から始まる「行きたい」をかなえる仕組みづくり—車いすまち歩きの実践と広がりから,バリアフリーマップの完成まで
大場 秀樹
1
Hideki Oba
1
1東京都リハビリテーション病院
pp.1127-1131
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590101127
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はじめに
作業療法士は,日々,対象者の「出かけたい」という思いに寄り添い,それを支援している.その思いは,単に屋外へ出ることにとどまらず,社会とつながるための行為でもある.しかし実際には,障害や加齢によって移動が困難な人は少なくない.さらに,その困難は本人の身体機能だけでなく,地域の物理的環境や制度,情報の不足にも起因している.
本稿では,東京都墨田区の地域リハビリテーション活動支援事業の中で,1人の車いすユーザーの地域ケア会議を起点に地域課題が顕在化し,多職種・多機関の連携を経て,まちづくりへと発展したプロセスを紹介する.作業療法士の実践領域としての「まちづくり」への貢献と可能性を探っていく.

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