増刊号 就学・就労支援
第2部 まなぶ:就学
第4章 就学に必要な環境調節—横断的視点から
1 就学に向けた保護者支援
伊藤 信寿
1
Nobuhisa Ito
1
1聖隷クリストファー大学
pp.834-838
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080834
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支援を必要とされる子どもを育てることは,定型発達の子どもを育てるのに比較して,格段にストレスが多いといわれています1).さらに,就学に向き合うにあたり,ストレスは増すことが予測されます.学校では,遊びを通した学習が中心である幼児教育から,一定時間座っていることが求められる教科学習へと変わります.学習方法が大きく変化します.「小1プロブレム」といわれるような,学校生活になじめず,問題行動を継続的に起こしてしまうこともあります.そのため,作業療法士は,就学を控えた保護者の不安やストレスを少しでも軽減できるよう支援することが重要です.就学を控えた保護者からの実際の相談としては下記の通りです.
・授業中に座っていられるか
・入学までに読み書きができないと困るのではないか
・お箸の持ち方,使い方が身につくか
・勉強がついていけるか
・感情をコントロールできるか
・通常級に入れたい
・先生には,どこまで対応してもらえるか
・クラスメートとのトラブルが起きないか
これらは支援を必要とされる子どもたちの保護者のみでなく,どの保護者も抱く悩みです.しかし,支援を必要とされる子どもの保護者は,より大きな不安を抱えていると推測されます.以下に子どもの就学を前にした保護者に対する支援について記載します.

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