増刊号 就学・就労支援
第2部 まなぶ:就学
第3章 就学期のかかわり
COLUMN 大学に設置された発達支援教室
本多 ふく代
1
Fukuyo Honda
1
1東北文化学園大学
pp.832-833
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080832
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はじめに
発達支援教室(以下,本教室)は,2008年(平成20年)に本学医療福祉学部に設置された.本教室の活動は,大学の教育研究資源を活用して地域の発達障害児およびその家族を支援することを目的として,作業療法士の教員が主に担っている.その対象は,以前は地域の他機関からの紹介等が主であったが,現在は本学附属の発達クリニック外来から紹介された方々を主としつつ,クリニックの医療とは別途の支援がなされている.本教室の特徴は,医療や福祉といった諸制度とは異なるところで,学習塾等のように本人・家族との個別の契約に基づいて行われる点である.
本教室での支援は,開始クールを8回として,2クール目以降は6回を1クールとして,継続については本人・保護者の意向を聞き取りながら相談して決めている.支援時は,保護者にも在室していただくことで,保護者に子どもとのかかわり方を例示し,助言する機会にもなっており,この機会が家庭での継続的な取り組みにつながるように配慮している.また,本専攻の在学生が発達領域の作業療法を学ぶ機会として見学を受け付け,保護者・本人の同意を得て見学・参加を行っている.現在の支援対象児は,未就学児15名,小学生20名,中学生3名である.
このような中で,就学時期に対人関係に問題を有する場合,学校に行けず放課後等デイサービスにも行けなくなる児童も対象となることがある.その事例を紹介する.
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