回復期リハビリテーション病棟における運動器疾患患者の自主訓練実施と教育歴との関連

Association between education level and self-exercise in patients with musculoskeletal diseases in convalescent rehabilitation ward

Abstract：【背景】回復期リハビリテーション病棟において，患者が主体的に身体活動を行うことは重要である．地域在住者では教育歴が高い者ほど身体活動量が多いことが報告されている．本研究は回復期リハビリテーション病棟における運動器疾患患者の教育歴と自主訓練実施割合の関連を明らかにすることを目的とした．【方法】回復期リハビリテーション病棟に入棟した運動器疾患患者55名を対象とした横断研究である．目的変数を自主訓練実施の有無，説明変数を教育歴とした．調整変数は，年齢，性，疾患分類，手術の有無，合併症の有無，受傷から回復期リハビリテーション病棟入棟までの日数とした．教育歴と自主訓練実施の中間要因として，FIMの運動項目，うつ，認知機能を想定し，ポアソン回帰分析を行った．【結果】教育歴10年未満に対して，10年以上の者の自主訓練実施のprevalence ratioは2.73と有意に高かった．その関連は，認知機能を投入した際に減弱した．【結論】教育歴が高い者は自主訓練実施割合が高く，認知機能がその中間要因である可能性が示された．