書評
—荒川 高光(著)—「臨床直結!解剖学講義&深掘りディスカッション 下肢編」
藤澤 宏幸
1,2
1東北文化学園大学医療福祉学部
2日本理学療法学会連合
pp.474
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600040474
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本書の第一印象は,“読み物として楽しい”である.それでいて解剖学の知識も整理される.しかも,解剖学者の生の声を聴くことができ,「専門家でも知らないことがあるんだ」と,読者は安心して学習を進められる気持ちになれる.
解剖学者の素朴な疑問を反映した各節のタイトルも楽しい.「脊柱起立筋は本当に『脊柱を起立させる筋』なのだろうか?(p18)」などは,読み手の心を揺さぶるフレーズである.著者いわく,「腸肋筋,棘筋,最長筋の中で,横突起の後方に付着し,上下方向に収縮できるのは最長筋だけであり,それこそが脊柱起立筋といえる」,という.身体運動学を専門とする者からすれば,腸肋筋も左右が同時に求心性収縮すれば,体幹伸展を生じさせるので,重要な脊柱起立筋だと考えるが,解剖学者との見方の違いを知ることができ,それはそれで新鮮で面白い.

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