書評
臨床直結!解剖学講義&深掘りディスカッション 下肢編
黒田 良祐
1
1神戸大学大学院整形外科
pp.92
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330610010092
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本書は,解剖学者と理学療法士が真正面から向き合い,臨床の現場で本当に必要とされる知を磨き上げていく,極めてユニークで刺激的な一冊である.PT界を代表する解剖学エキスパートである荒川高光先生が,膨大な領域から“臨床で使える本質”を抽出して講義し,それに対して工藤慎太郎先生をはじめとした運動器理学療法のスペシャリストたちが,臨床の現場から生まれた鋭い疑問を容赦なく投げかける.
議論の中心には,筋・骨格・神経という構造の理解を,患者の症状や動きと結びつけて再解釈しようとする姿勢がある.トリガーポイントや疼痛発生機序といった,整形外科でも日常的に直面するテーマが深く掘り下げられ,臨床家が抱きがちな「この症状はどこから来ているのか?」という疑問が,対話のなかで徐々に解きほぐされていく.読者はそのプロセスを追体験することで,まるで自らがディスカッションに参加しているかのような臨場感を覚えるだろう.

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