にちようひまわり 障害児のデイ・ケアへの試み・1
荒川土手のハプニング
姥山 寛代
1
1北病院医療社会事業部
pp.662-665
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919578
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H君がいない
果てしもなく遠くまで伸びている荒川ぞいの小道を,さっきから私たちはずっと走りづくめに走り続けている.草の生い茂る川べりをのぞいたり,釣り糸をたれている人に‘このくらいの背格好で,小さなザックを背負った子,見ませんでしたか’とたずねたりしながら,行方のわからなくなったH君を探して,すでに1時間になる.にくらしいほどによく晴れた青空には,太陽が輝いている.汗が顔から,腋の下から吹き出し,トレーニングシャツの下を流れている.
今日は1981年10月4日,日曜日,障害児のデイ・ケアをめざす〈にちようひまわり〉の初めての実践活動の日である.ところが,のっけから思いがけない事件が起こった.
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