臨床のコツ・私の裏ワザ
急性期リハビリテーションにおける“引きの一手”
俵 紘志
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1福山市民病院リハビリテーション科
キーワード:
早期離床
,
臨床推論
,
急性期リハビリテーション
Keyword:
早期離床
,
臨床推論
,
急性期リハビリテーション
pp.242-243
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600020242
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“押すこと”と“引くこと”
私は普段,地域の三次救急を担う急性期病院で勤務しています.近年,リハビリテーション領域において「早期離床」,「早期リハビリテーション」は世界的なトレンドとなり,その有効性を示すエビデンスも多く報告されています.確かに,離床を進め,日々の活動量を高めていくことは,急性期リハビリテーションの大きな使命です.しかし,臨床経験を重ねるなかで,単に「昨日より今日,今日より明日」と一方向にステップアップしていくことだけが正解ではないと感じる場面が増えてきました.
私は現在,臨床19年目になります.これまで数多くの患者とかかわるなかで,「押すこと」だけでなく「引くこと」もまた重要であると強く感じるようになりました.入院期間の短い急性期であっても,患者との信頼関係は非常に大切です.痛みや倦怠感に寄り添い,無理に起こすのではなく,「今日はここまでにして明日,頑張りましょうね」と声をかける.その“引きの一手”が,翌日の大きな前進につながることがあります.
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