連載 車椅子・歩行補助具の選び方・第6回【最終回】
介護保険制度における福祉用具支援体制とその適応
代田 琴子
1
Kotoko SHIROTA
1
1兵庫県立リハビリテーションセンター中央病院
キーワード:
保険給付
,
貸与・販売
,
選択性
,
地域連携
Keyword:
保険給付
,
貸与・販売
,
選択性
,
地域連携
pp.1471-1473
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590121471
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介護保険制度における福祉用具の概要
介護保険制度における福祉用具は,要介護者などの日常生活の便宜を図るための用具および要介護者などの機能訓練についての用具であって,利用者がその居宅において自立した日常生活を営むことができるよう助けになるものについて,保険給付の対象となっている.
給付制度の概要1)を以下に示す.
① 貸与の原則:利用者の身体状況や要介護度の変化,福祉用具の機能の向上に応じて,適時・適切な福祉用具を利用者に提供できるよう,貸与を原則としている.
② 販売種目:貸与に馴染まない性質のもの(他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの,使用によってもとの形態・品質が変化し,再利用できないもの)と選択制(③)の対象福祉用具のうち,利用者が販売を選択したものは,福祉用具の購入費を保険給付の対象としている.
③ 選択制:利用者の負担軽減,制度の持続可能性の確保と福祉用具の適時・適切な利用や安全を確保する観点から,一部の福祉用具について貸与と販売の選択制を導入している.
④ 現に要した費用:福祉用具の貸与および購入は,市場の価格競争を通じて適切な価格による給付が行われるよう,保険給付上の公定価格を定めず,現に要した費用の額により保険給付する仕組みとなっている.

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