特集 訪問看護師の住環境整備支援
介護保険下の住宅改修と福祉用具導入―その実際と課題
金沢 善智
1
1弘前大学医学部保健学科
pp.530-535
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901514
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はじめに
介護保険の中での住宅改修と福祉用具導入は切り離しのできないサービスである。実質的な効果としては,①利用者の日常生活能力の向上,②介護者の介護量と介護負担の軽減,③利用者とその家族の「自分らしい生活(人生)」の獲得とその保障,④利用者と介護者との人間関係の修復,ということが考えられる。以上4つのことが基礎となって,住宅改修の目標とするところは,人間として人間らしく尊厳のある生活が保障された上で,利用者がより潤いと生き甲斐の持てる生活を送れるように支援することである1)。
また,住宅改修は「障害予防」という面においても有効である。住宅改修により家屋が利用者に適合すると,日常生活能力や活動性が向上する。そのことが身体機能の維持・向上に結びつき,障害予防において有効な要因となるものと考えられる。このことは家屋内への「閉じこもり」の解消にも直結し,人間の社会性維持という面においても重要である。
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