連載 COVID-19パンデミック後の変革・第2回
医療現場におけるアップデート 急性期 ②—急性期病院におけるCOVID-19契機のマネジメントとリハビリテーション体制のアップデート
岩田 健太郎
1
Kentaro IWATA
1
1神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部
pp.1361-1366
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590111361
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
COVID-19パンデミックは,世界の医療体制に深刻な影響を及ぼした.日本においても,高齢入院患者の身体・精神機能の急速な低下により自宅復帰が困難となり,入院の長期化や急性期病床の回転率の低下が顕著となった1).その結果,急性期病院におけるリハビリテーション体制の不備や,急性期から回復期への連携の脆弱さが浮き彫りとなった.これを受け,厚生労働省は2023年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」において,「リハビリテーション・栄養・口腔管理の一体的推進」を明記した.さらに,2024年度の診療報酬改定では,入退院支援における理学療法士の関与を評価し,「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」が新設された.
本稿では,COVID-19対応を通じて神戸市立医療センター中央市民病院(以下,当院)がどのように管理体制を更新し,リハビリテーション部門がいかに貢献したかを概観するとともに,これらの経験が,地域連携の強化やリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の導入といった「ポストコロナ時代」の新たな地域医療構想にいかに生かされているかを述べる.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

