特集 介護保険と看護
急性期病院におけるケアマネジメント
山田 ゆかり
1,2
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
2元:(財)ダイヤ高齢社会研究財団
pp.301-303
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902962
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介護保険の導入は急性期病院の看護職にとって大きな関心事でないことが多い.しかし急性期病院の現状に目を転ずれば,病院経営上の必要性から在院日数短縮が急務である一方で,入院が長期化しやすい高齢患者が今後も増えていくという課題に直面している.
高齢者の在院日数が長い原因は,糖尿病や高血圧症などの疾患の有病率が高いため,入院中の併発症を起こしやすいことのほか,病状が回復しても機能障害が残り,介護の必要性のために退院が延びることが上げられる.このように入院が長期化しやすい高齢者に対し,在院日数短縮の圧力の中で質を維持した入院診療を提供するには,クリティカルパスの導入などによる診療の工程管理1)の他に,地域の介護サービス事業者との密接な連携が不可欠である.このようなネットワークを構築することにより,病院側は急性期医療終了時の高齢者の受け皿を確保することができ,同時に介護サービス事業者は急性増悪時の受け入れ先を確保することができる2).
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