連載 COVID-19パンデミック後の変革・第1回【新連載】
医療現場におけるアップデート 急性期 ①—臨時医療施設における理学療法士の実践と役割の再定義
千葉 一幸
1
Kazuyuki CHIBA
1
1東北医科薬科大学病院リハビリテーション部
pp.1241-1244
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590101241
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はじめに
COVID-19パンデミックは,理学療法士の職能の意義と限界を同時に突きつけた未曾有の出来事であった.感染制御を最優先するなかで,多くの医療機関では理学療法士の病棟介入が停止あるいは縮小され,非接触の医療体制が求められた.一方で,身体機能や活動性の著しい低下,離床の遅れによる合併症の増加など,「介入の欠如によるリスク」が医療者に強く認識される契機にもなった.
筆者はオミクロン株流行期の2022年3月より,東京都が設置した臨時医療施設「高齢者等医療支援型施設(旧東京女子医科大学東医療センター)」(以下,本施設)に理学療法士として派遣された.本稿では,通常の急性期病院とは異なる特設施設での業務経験をもとに,COVID-19パンデミック下における理学療法の実際,即応型チーム医療の運営,そして今後の制度設計への提言について述べる.

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