連載 文献収集と管理・第10回
Cochrane Library
森山 英樹
1
Hideki MORIYAMA
1
1神戸大学生命・医学系保健学域
pp.1245-1250
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590101245
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Cochrane Libraryの特徴
Cochrane Library(コクランライブラリー)は,国際的な非営利団体であるCochrane(コクラン)が運営しているエビデンスに関する総合的なデータベースである.コクランの名称は,ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)[本連載第1回(第59巻第1号)を参照]によるエビデンスを用いることの重要性を説いたArchibald Cochraneに由来する.その理念に賛同した人々が,イギリスで周産期分野に関するRCTのシステマティックレビュー[本連載第1回(第59巻第1号)を参照]を始めた.そして,それがほかの分野にも広がり,1993年にCochrane Collaboration(コクラン共同計画)が設立され,2015年にCochrane(コクラン)に名称変更された.コクランには,テーマ別や地域別などの多くのグループがある.テーマ別の12グループの一つにリハビリテーションがあり,地域別での日本支部(コクランジャパン,https://japan.cochrane.org/ja)は2014年に設立された.
コクランの最たる活動は,システマティックレビューの作成である.もちろん,システマティックレビューは,コクラン以外でも広く行われており,多くの学術雑誌に掲載されている.しかし,コクランは厳密で洗練された方法論をもとに,コクランレビューと呼ばれる良質なシステマティックレビューを作成しており,それが多くの診療ガイドラインに引用されて各国の医療政策に活用されるなど,最良のエビデンスを提供している.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.