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PEDroの特徴
PEDro(ペドロ,Physiotherapy Evidence Database,https://pedro.org.au/)は,理学療法のエビデンスに関する65,000件以上の臨床試験・レビュー・ガイドラインが収載されている,1999年に設立された無料のデータベースである.University of SydneyとSydney Local Health DistrictからなるInstitute for Musculoskeletal Healthが管理し,Neuroscience Research Australia(NeuRA)が提供している.ウェブサイトの表示言語としては,日本語を含む多くの言語を選択できるが,検索語は英語しか使用できず,検索や結果の画面も英語で表示される.PEDroには書誌情報と抄録が主に収載され,多くの文献はPubMed[本連載第5回(第59巻第5号)を参照]にリンクされている.データベースは月1回更新され,最古の情報は1929年に出版された臨床試験である.PEDroは,豪州と米国を筆頭に毎日2,900回以上利用されているが,日本からの利用は少ないのが現状である.理学療法のエビデンスに特化した,ほかにはないデータベースなので,より活用されることが望まれる.
PEDroのユニークな特徴として,収載されている臨床試験(レビューとガイドラインは除く)が,研究の質を評価するチェックリストであるPEDroスケール(10点満点で点数化し,得点が高いほど信頼がおける)でランクづけされていることが挙げられる.これにより,ユーザーは有効である可能性が高いエビデンスにたどり着きやすくなるが,得点が低いからといって価値がないと思わず,あくまで参考値と考えてほしい.PubMedがフィルターのかかっていない一次情報[本連載第1回(第59巻第1号)を参照]のデータベースであるのに対して,PEDroはPEDroスケールによってフィルターがかけられた二次情報のデータベースといえる.

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