連載 文献収集と管理・第5回
PubMed
森山 英樹
1
Hideki MORIYAMA
1
1神戸大学生命・医学系保健学域
pp.608-613
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590050608
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PubMedの特徴
PubMed(パブメド)の運営母体は,米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)傘下の米国国立医学図書館(National Library of Medicine:NLM)である.NLM内にある米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)では,Entrez(アントレ)と呼ばれる統合型分子生物学データベースシステムが提供されており,PubMedはその一部である.Entrezには,文献のデータベースであるPubMedのほか,DNA配列情報やタンパク質構造などの二次情報[本連載第1回(第59巻第1号)を参照]のデータベースがあり,互いにリンクし参照できるようになっている.PubMedでの使用言語は英語であるが,日本語を含む多言語の文献も収載されている.
NLMは1879年に医学文献の索引誌として,Index Medicusを創刊した.その後,発行される文献の量が膨大になるにつれ,紙媒体の牽引誌では限界を迎えたため,1964年にIndex Medicusを機械化し,MEDLARSを開発した.そして1971年に,MEDLARSのオンライン版であるMEDLINE(メドライン,MEDLARS Online)の有料での提供が始まり,さらに1997年に,MEDLINEの無料版としてPubMedが公開された.PubMedはMEDLINEを主な情報源としているが,データベースとして更新を重ねMEDLINEに未収載の最新の書誌情報も含んでいる.

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