連載 薬剤と理学療法・第9回
抗血栓薬
秋山 眞太郎
1
,
船木 麻美
1
Shintaro AKIYAMA
1
,
Asami FUNAKI
1
1亀田総合病院薬剤部臨床薬剤科
pp.1117-1121
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590091117
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高齢化により心房細動などの疾患が増加し,抗凝固薬として直接型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC,表11〜4))の使用が一般的となっている.DOACは,ワルファリンと異なり,頻回の採血を必要とせず,また食事との相互作用がないといったことから利便性に優れる.一方で,腎機能低下により薬剤が体内に蓄積し,出血リスクが増大する.とりわけ高齢患者では,転倒時に頭部外傷を伴うと脳出血を来す危険性が高く,動作練習や歩行練習に際しては,薬剤の影響を踏まえた慎重な評価と介入が求められる.以下にDOAC使用中の患者に対し,出血リスクを考慮したモニタリングが必要であった症例を挙げる.

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