連載 文献収集と管理・第7回
CiNii Research
森山 英樹
1
Hideki MORIYAMA
1
1神戸大学生命・医学系保健学域
pp.857-860
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590070857
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CiNii Researchの特徴
国立情報学研究所(National Institute of Informatics:NII)が運営しているCiNii Research(サイニィ リサーチ)では,日本国内で刊行された全分野の学術雑誌に掲載された文献に加え,研究データ,それらの成果を生み出した研究者,研究プロジェクトなどの研究活動にかかわる情報,さらに図書や博士論文をまとめて横断的に検索できる.多様な情報をただ単に一括検索できるだけではなく,文献検索をしながら関連する研究データなどを発見できたり,その関連性を理解することもできる.このような機能をもつデータベースは他にもあるが,国内ではアルゴリズムの独自性とリソースの豊富さからCiNii Researchが最も優れており,さらに国外の情報にも対象を広げて進化し続けている情報検索基盤である.
このような情報検索基盤は,日本のCiNii Researchのみならず世界中に存在する.代表的なものには,欧州のOpenAIRE,英国のCORE,米国のSemantic ScholarやPubMed,韓国のDataON,独国のBASEが挙げられる.また,分野ごとの情報検索基盤もあり,国内では,遺伝子配列のDDBJ,生命科学の生命科学データベース横断検索,物質材料学のMDR,人文社会学のJDCatが知られている.さらに,企業が提供するものに,Google Scholar,Google Dataset Search,Mendeley,Mendeley Dataがある.

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