連載 理学療法とAI—活用実践例と近未来の展望・第6回【最終回】
AIを用いた予後予測・臨床応用
大住 倫弘
1
,
井川 祐樹
1
,
浦上 慎司
1
Michihiro OSUMI
1
,
Yuki IGAWA
1
,
Shinji URAGAMI
1
1畿央大学大学院健康科学研究科
pp.734-735
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590060734
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超高齢社会の本格化に伴う医療提供者不足や医療費の増大などの問題の深刻化を解決してくれる技術の一つにartificial intelligence(AI)がある.個別の臨床データに基づいて予後を予測するAIの能力は,理学療法の生産性を大いに高める.例えば,筋力,関節可動域,バランス能力などの臨床データに基づいて数か月後のADL能力をAIが正確に予測できれば,理学療法期間やゴールを適正化することができる.つまり,AIの予後予測を活用することで,過不足のない効率的な理学療法を提供できるということだ.
残念ながら,症例の予後を正確に予測できるほどのAIはいまだ実装されておらず,開発途上にある.しかしながら,近い将来にAIによって適正化された理学療法が実現することは想像に難しくない.本稿では,将来的に実装される予後予測AIについて考える.筆者が痛みのリハビリテーションを専門にしている都合により,「痛みの予後」を予測するAIに絞る.
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