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Q1 神経筋難病患者における就労の課題は? 疾患の発症時期(先天性~壮年発症)や進行速度,重症度,症状の変動等が多様であり,当時者・事業者ともに疾患を理解して,症状の変化を見通し,それぞれに合わせたサポートが必要である.就労支援整備が進んでいるが,現状では情報や対応に格差があり,制度の活用を浸透させることが課題である. Q2 就労開始における指導のポイントは? 小児期発症の疾患の場合は,幼少時から働くイメージをなくさないことである.就労年齢近くになってからは,できること・やりたいことと,現実の仕事と,身体・環境条件を検討して,必要な道具と環境を準備する.転職後の就労開始においても同様である.求職時に関係機関と上記について相談し,必要に応じて職業訓練等を紹介する. Q3 就労継続におけるポイントは? 難病のある人が職業上困っていることは,①職場における健康管理の困難性,②職場の人間関係の悪化によるストレス,③病気の説明や開示の困難性,④就職活動での困難性,⑤機能障害や症状による個別の困難性である 1).これらについて,自身の状態を理解し,医療機関・職場と共通理解を作り,両立支援サポートを受けることが重要である. Q4 企業側に周知・理解してもらいたいことは? 環境整備として必要なことは,①研修等による両立支援に関する意識啓発,②相談窓口の明確化,③休暇・勤務制度の整備に取り組むことである.両立支援プランに盛り込むことが望ましい事項は,①治療・投薬等の状況および今後の治療・通院の予定,②就業上の措置および治療への配慮の具体的内容および実施時期・期間〔作業の転換・労働時間の短縮・就業場所の変更・治療への配慮内容(定期的な休暇の取得等)〕,③フォローアップの方法およびスケジュール(産業医等,保健師,看護師等の産業保健スタッフ,人事労務担当者等による面談等)である.個別の両立支援を進めるにあたり,本人・産業医等と十分相談して勤務情報提供書を作成し,医療機関と相談して共通認識を作り,経過に応じて繰り返し情報共有を行う 2). Q5 リハビリテーション医療の中での就労支援はどのように取り組むか? 活動・参加の評価で課題を抽出する中で,課題発見者になり,就労支援部門につなげる.移動・環境整備・IT機器入力支援・作業道具導入等,具体的な支援を行う.情報提供や活動支援の中で,自己客観視・問題整理を援助する.
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