編集後記

　2025年，いよいよ「団塊の世代」が75歳以上となり，わが国の高齢化は一つのピークを迎えます．医療・介護の需要の急増と人材不足が予想されるなかで，地域包括ケアシステムの深化とともに，介護分野でもデータに基づく質の高いサービスが不可欠とされ，私たち理学療法士にも新たな役割と責務が求められます．

　本特集「科学的介護」では，介護領域においても質の高い理学療法を提供するための基礎知識の整理を行うとともに，現在取り組んでおられる各施設の実践例をご紹介いただきました．科学的介護の基礎的理解，科学的介護データの活用，科学的介護推進のための組織づくり，口腔・栄養ケアマネジメント，排泄，認知症ケア，DXやITリテラシー，さらに卒前教育からの取り組みと，本特集をご一読されると科学的介護の全体像が理解できたのではないでしょうか．