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編集後記
村永 信吾
pp.732
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203502
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本号の特集は,「足病—あしを救って機能も救うために」です.理学療法士は,歩行機能と生活の質を守る重大な使命を有しています.足病は糖尿病や動脈硬化を基盤として,体重や歩き方,さらには履物による機械的ストレスなどの要因が複雑に絡む病態で,加齢に伴う足病患者の増加と重症化が問題となっています.足部の感染や切断などの重症化予防は,医師,看護師,理学療法士など多職種によるチェック,連携,対応が不可欠です.本特集では足病の症状と診断,裸足による足部チェック法,患部へのストレス軽減としての免荷,糖尿病足への対応,足関節との連関,足趾切断後の理学療法,在宅での足病管理と足病対応に対して,写真を多用していただき足病に対応した経験のない理学療法士にも非常にわかりやすく述べられております.
Close-upは,「指定規則」についてです.これは国家試験受験資格を得るために必要な養成校での教育課程を示したもので,養成する人材像を明確にし,教育の質に直接影響する「教育内容と時間」,「教員の要件」,「臨床実習」といった内容を規定したものです.2018年の理学療法士の指定規則の改正では「臨床実習を行うのに適当な施設」,「臨床実習について適当な臨床実習指導者」なども明記されたことで,養成校だけではなく臨床実習受け入れ施設もその養成の質向上に参加することが示されました.この4月に新卒の理学療法士を迎えられたことと思います.質の高い理学療法士を採用するためには卒前教育において各実習施設が質向上に貢献しておくことが前提といえます.
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