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編集後記
村永 信吾
pp.488
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600040488
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本号の特集では,「臨床現場で真に役立つトレーニングの基本」を,Close-upのページ分増量して多角的な視点から整理しました.従来の筋力増強のみにとどまらず,神経筋協調を介した「動作そのものを鍛える」という概念は,今や理学療法の根幹ともいえます.柔軟性改善における総時間の重要性や,artificial intelligence(AI)・virtual reality(VR)を活用したバランストレーニング,視覚運動制御や運動イメージによる脳内シミュレーションなど,紹介された知見はどれも実践的かつ革新的です.近年,国際舞台で躍動する日本人アスリートの目覚ましい活躍の裏には,こうした科学的根拠に基づく緻密なトレーニングの貢献があるものと考えます.コンマ数秒の反応を分ける視覚制御や,極限状態での高いパフォーマンスを維持するメンタルコントロール,そして効率的なパワー発揮を支えるプライオメトリクスといった「動作の質」の追求が,世界と戦う選手の強固な基盤づくりのプロセスといえるのだと思います.さらに,アジリティトレーニングや有酸素トレーニングの理解は転倒予防や生命予後,疾病予防に携わる理学療法士にとっては必須の基本的知識となることでしょう.
理学療法士には,個別のニーズに応じてこのような多岐にわたるトレーニング要素をFITT原則などの基礎理論に基づき,安全かつ効果的に実践していくことが求められています.本特集が,トップアスリートから高齢者に至るまで,理学療法士にとって真に役立つトレーニングの教本となれば幸いです.

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