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Ⅰ.緒 言
直腸がんは,日本において毎年5万人が罹患し1),5年生存率が7割2)3)とがん種のなかでも長期的な生存が見込まれ,治療後の長期的なQOLの検討が重要になる.直腸がん治療の多くは手術療法が用いられ,兵庫県の施設を対象にした調査では肛門を温存する術式(以下,直腸切除)が直腸がん手術の約8割で実施されている4).直腸切除は術後の生理的な排泄経路を維持する一方で,低位前方切除症候群(low anterior resection syndrome:以下,LARS)と呼ばれる排便障害が生じる.LARSは「直腸切除後の排便機能障害でQOLの低下をもたらすもの」5)と定義され,6割の患者に生じ6),術後1年でも約半数は持続する7).直腸切除の術式の1つである括約筋間切除を実施した患者について,術後2年が経過した患者で排便障害が認められる施設は9割であり,排便障害を認める患者が「半数以上」と回答した施設は8割であった8).また,LARSのケアについて多くの施設では主治医が単独で実施し,一部の施設では皮膚・排泄ケア認定看護師などの他職種が対応している8).
このように,LARSの症状は個人差があるものの長期に継続するものであり,退院後の生活のなかで患者自身がLARSの症状に対するセルフケアを身に付ける必要があるが,そのケアは主治医単独で実施されている実態もあり,支援体制を確立していく必要がある.
筆者は先行研究9)において日本語文献のみを対象にLARS の症状をかかえる患者の退院後の体験を明らかにしたが,対象文献数が少なかったことや術後早期の体験が少なかったため国外文献からの体験も収集する必要があると考えた.そのため本研究では,国内外の広範囲の文献より直腸切除後にLARSをかかえるがんサバイバーの退院後の体験を明らかにすることを目的とする.
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