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Ⅰ.緒 言
AYA(adolescent and young adult)世代患者とは,15歳から39歳の「思春期」と「若年成人期」のがん患者であり, 2019年のがん罹患数は約20,000人で,全がん罹患数の2.1%である1).このなかには希少がんが含まれており,治療法の開発が急務であることや年齢的に性の成熟期であること,ライフイベントが重なる時期でもあり,第3期がん対策推進基本計画では,AYA世代がん患者に対する支援が打ち出され,以後支援と研究が推進されている.
AYA世代がん患者は,25歳未満では希少がんが多いが,25歳以上では,子宮がん,乳がん,消化器がんとなり,性別では,20歳代から女性の子宮がん,乳がん患者数が多くなり,30歳代では女性患者は男性の2倍以上となる.AYA世代の女性がん患者には,恋愛・結婚・妊娠・出産,さらには妊孕性の問題や,就職や育児など社会的役割拡大と役割移行でのさまざまな課題が生じてくる.
2018年以降,AYA世代のがんに関する研究は急増している.AYA世代がん患者に向き合う看護師を対象とした研究では,若い患者の気持ちを推測して援助関係の構築に構えてしまう2)や,若い患者への接近をためらう,若いがん患者への接近の仕方に悩みながら関わっている3),者の核心に迫り切れないことへの苦慮があること4)が報告されている.そして看護師が認識する困難は,年齢層ごとに異なる困難をかかえている可能性が示唆されている5).さらに,妊孕性や意思決定,若年性乳がん・生殖器がん患者への看護についての研究が散見される6)〜8).一方で,AYA世代がん患者全般の看護についての研究は2件で,思春期青年期世代を対象としており,小児看護の視点を併せ持った看護の必要性や発達段階に合わせた支援の難しさが報告4)9)されていた.
20〜30歳代は人生のなかで多くのライフイベントが連なる時期である.その時期にがんの発症と治療生活が重なることは,患者本人の生活やライフプランに影響を及ぼす.他の世代と比較して多様なニーズがあるAYA世代の女性がん患者に対しては,夢や希望が失われないようにその人を尊重した個別性のある看護が重要である.
以上から,AYA世代の女性患者が,がんに罹患することの重大性と看護の重要性は大きいが,その看護実践の研究は少ないことが明らかとなった.本研究ではAYA世代女性とりわけ20歳代半ばから30歳代の女性がん患者に焦点を当て,そこに関わる熟練看護師の看護実践を明らかにし,AYA世代がん患者の看護の一助にしたいと考えた.
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