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実践報告
看護師ががんゲノム医療・遺伝性腫瘍診療に関わるための教育的取り組みとその成果—兵庫県立がんセンターの外来看護体制を踏まえた取り組み—
Educational Efforts and Outcomes for Nurses to be Participated in Cancer Genomic Medicine and Hereditary Tumor - Efforts Based on the Outpatient Nursing System of Hyogo Cancer Center -
日下 咲
1
,
村井 美加
1
,
大西 愛子
1
,
松本 奈美
1
Saki Hinoshita
1
,
Mika Murai
1
,
Aiko Onishi
1
,
Nami Matsumoto
1
1兵庫県立がんセンター看護部
1Department of Nursing, Hyogo Cancer Center
キーワード:
外来看護,がんゲノム医療,遺伝性腫瘍,教育,outpatient nursing
,
cancer genome medicine
,
hereditary tumor
,
education
Keyword:
外来看護,がんゲノム医療,遺伝性腫瘍,教育,outpatient nursing
,
cancer genome medicine
,
hereditary tumor
,
education
pp.79-84
発行日 2024年12月31日
Published Date 2024/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒 言
2018年3月に閣議決定された第3期がん対策推進基本計画の分野別施策に「2.がん医療の充実(1)がんゲノム医療」の項目が新設され1),2024年2月現在,全国にがんゲノム医療中核拠点病院13医療機関,拠点病院32医療機関,連携病院218医療機関が厚生労働省の指定を受けている2).がん遺伝子パネル検査は2019年6月より適用条件を満たしていれば,保険診療で実施することができるようになった.がん遺伝子パネル検査は,標準治療が終了もしくは終了見込みの状況となった患者にとって,大きな希望となっている.がん医療の大きな進歩と期待される一方で,検査結果から新たな治療につながる確率は約10%であり3),検査前の期待と結果のギャップが大きいという課題がある.
また,ここ数年で遺伝性腫瘍診療を取り巻く状況は大きく変化している.2020年には遺伝性乳がん卵巣がん症候群診療が条件を満たす場合は保険適用になった.PARP阻害薬のコンパニオン診断としてのBRCA1/2遺伝子検査やキイトルーダのコンパニオン診断のMSI検査など遺伝性腫瘍と関連のある検査が治療薬を探す目的で行われている.がん遺伝子パネル検査では,二次的所見として遺伝性腫瘍の診断がつく,またはその可能性が示唆されることがある.これらのことから遺伝性腫瘍診療を受ける患者は増えている.
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