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はじめに
後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)は,脊柱の後縦靭帯に異所性骨化をきたす疾患であり,脊髄圧迫や神経学的障害を引き起こす原因となる7).本疾患は進行性の病態を有し,初期には無症状であることが多いものの,症状が出現する頃には脊髄圧迫が進行している場合が少なくない.そのため,早期診断およびリスクの正確な予測は,治療方針の決定や患者の生活の質(QOL)の維持においてきわめて重要である.
OPLLは地域差があるものの,特にアジア圏で高い罹患率を示し,本邦においては30歳以上の1.9〜4.3%に認められることが報告されている.頸椎OPLLが最も一般的で,約95%の症例で頸椎が影響を受けるが,胸椎や腰椎に発生するケースもある9).神経症状が進行した患者では,手術治療が推奨される場合が多く,前方除圧固定術や後方除圧術が行われる.しかしながら,これらの手術には合併症リスクが伴い,術後の予後を左右する重要な要素として認識されている.
近年,人工知能(AI)技術の進展により,医療分野における応用が急速に進んでいる.特に,深層学習をはじめとする機械学習は,画像診断の精度向上や術後成績の予測において有望な成果を示している2,6).放射線画像解析におけるAIの導入は,医師の診断を補完し,診断の標準化を図るための新たなツールとなっている.さらに,患者データを解析して個別化医療を実現するためのプロセスとしても注目されている.
本稿では,AI技術を用いたOPLLの診断および術後合併症予測に関する最新の研究成果を説明する.AIモデルの実臨床への応用可能性とその課題についても考察し,AI技術がOPLL診療におけるパラダイムシフトをもたらす可能性を探る.

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