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はじめに
画像診断AIはCT,MRI,X線などの医用画像を人工知能(artificial intelligence:AI)が解析し,医師の診断を支援する技術である.近年,深層学習(deep learning)技術の進歩により,その精度が飛躍的に向上してきた.AIは大量の画像データを学習することで,人間の目では見逃しやすい微細な病変や異常を検出することができ,診断精度の向上に貢献する.また,AIによる画像解析は医師の負担を軽減し,診断時間の短縮につながる可能性がある.本邦では特定の疾患(肺がん,脳動脈瘤,脳出血など)に特化したAI画像診断支援ソフトウェアの開発が進んできた.
われわれは,数ある疾患の中で骨転移の画像診断精度の向上を目指し,がん患者の治療中に取得されたCT画像データを利用し,AIによる検出モデルの開発を進めてきた.
がん治療の進歩によりがん患者の生存期間は延長し4),それに伴い骨転移を有する患者も増加している.整形外科領域では予後の改善に加え,「がん患者の運動機能をいかに維持するか」が重要となってきており,骨転移による病的骨折や脊髄圧迫などの骨関連有害事象(skeletal-related events:SRE)を予防することが求められる.放射線療法,骨修飾薬などの適切な治療介入を開始することで,SREの出現を遅らせたり,新たなSREを予防したりすることが可能となるため,骨転移を早期に発見することが重要である.骨転移の画像診断にはCT,MRI,PETなど複数のモダリティがあり,それぞれ異なる利点がある.CTは優れた空間分解能と骨構造の描出能があり,検査へのアクセスが容易なため,がん患者のフォローアップ方法として最も頻繁に使用されている.しかし,遠隔転移検索目的のCTで描出される骨は広範かつ数が多いため,残念ながら早期に発見できなかった骨転移にもしばしば遭遇する.本稿では骨転移検出AI開発の成果と課題について紹介する.

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