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はじめに
腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis:LSS)は最も多い腰椎変性疾患であり,下肢神経障害を引き起こすと健康的な日常生活を送るうえでの大きな障害となる3).近年,急速に高齢化が進んでいることに伴いLSSの有病率も増加している.LSSに対する手術成績は良好であるが,進行性の神経障害を呈する場合,治療が遅れると回復が困難となることが危惧される3).そのため,早期診断と適切な手術適応の判断が重要となる.一般的に,LSS患者はプライマリ・ケア医や脊椎外科を専門としない整形外科クリニックを受診することが多く,手術加療を要する症例を脊椎脊髄外科医に紹介するタイミングを見極めることが課題になる.
LSSの診断にはMRIが最も有用であるが2),MRIが必要かどうかの見極めや手術が必要かどうかの判断は非専門医にとっては困難な場合も多い.また,医療過疎地域ではMRI装置のない施設や脊椎脊髄外科専門医がいない場合も多く,紹介のタイミングはより難しくなる.以上の背景から,多くの医療施設で撮影が可能な単純X線を用いて,専門医への紹介を要するLSSを自動判定するシステムの開発は有用と考えられる.
深層学習の1つである畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network:CNN)は,画像内のパターンを「特徴」として抽出し,不要なパラメータを削減していくことで効率的な学習が可能となるため,画像認識過程において大きな利点を有している5).また,CNNを用いた画像診断に関するメタアナリシスでは,臨床的に許容できる精度に相当していると報告されている1).そこでわれわれは,腰椎単純X線から手術を要するLSSを自動診断するアルゴリズムを開発し,その精度検証を行った6).

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