特集 びまん性特発性骨増殖症(DISH)に対する治療の現状
特集にあたって
永島 英樹
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座整形外科学分野
pp.55
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380020055
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びまん性特発性骨増殖症(DISH)について,2000年まではあまり議論がなかったかと記憶しているが,2005年頃から高齢者に多いとされるDISH患者の脊椎骨折に関する報告が増えてきたように思う.過去の文献をまとめた研究によれば,日本人の有病率は15%くらいで,男性に多い.DISH患者の椎体骨折はごく軽微な外傷で生じることが多いが,ほとんどの症例がいわゆる圧迫骨折ではなくて,AO分類でいうところのType B3となるhyperextensionである.X線だけでは直ちに診断できないこともあり,診断遅延も問題となっている.
DISHは,4椎体以上にわたる連続した靭帯骨化を伴うものをいう.この状態にある高位では,可動性を失って長管骨のようになっているので,自ずと治療方法も通常の骨粗鬆症性椎体骨折とは別物として計画しなければならない.さまざまな治療方法が提案されて乱立状態のようになっていること,前回本誌で特集してからすでに5年が経過していることから,DISHに対する治療について現時点での立ち位置を共有しておきたいと考えて,本特集を企画した.
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