特集 人工知能(AI)革命—脊椎脊髄診療の将来像は?
特集にあたって
永島 英樹
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座整形外科学分野
pp.189
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380040189
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人工知能(artificial intelligence:AI)は,1956年のダートマス会議でジョン・マッカーシーがその用語を初めて使用したことに発している.当初は単純な論理演算に限られていて普及しなかったAIも,機械学習の発展により飛躍的な進歩を遂げ,特に2010年代初頭に深層学習(ディープラーニング)が登場したことで,多様な分野で人間の能力に迫る,あるいは凌駕する成果を上げるようになってきた.ChatGPTが2022年に公開されてから,Claude,Gemini,Perplexity,CopilotなどのさまざまなAIツールが簡単に使えるようになってきたが,その一方でDeepSeekが中国から最近公開されたことで,米中の覇権争いに発展し国際問題化しているのは記憶に新しいところである.
医療分野に目を向けると,AIの応用は,診断支援,治療計画,予後予測など多岐にわたる.画像診断においては,AIによる画像解析が医師の診断精度を向上させ,見落としを減少させることが報告されている.また,電子カルテや医療画像などのビッグデータを活用した疾患リスク予測や,個々の患者に適した治療法の提案など,個別化医療の実現にも貢献している.AIチャットボットが,患者からの問い合わせに対応することも普及していくであろう.このようにAIの技術革新は,診断の迅速化・正確化だけでなく,医療者の負担軽減や医療資源の効率的配分にも寄与する可能性を秘めている.

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