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特集 初学者のための遺伝性難聴up-to-date
《各論:代表的な遺伝子群の臨床像》
GJB2遺伝子
GJB2 gene
西山 信宏
1
Nobuhiro Nishiyama
1
1東京医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
キーワード:
GJB2遺伝子バリアント
,
先天性難聴
,
人工内耳
,
補聴器
Keyword:
GJB2遺伝子バリアント
,
先天性難聴
,
人工内耳
,
補聴器
pp.571-575
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970080571
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POINT
●GJB2遺伝子バリアントは日本人先天性難聴患者の最も多くみられる原因であり,先天性難聴のうち約20%を占める。左右対称,非進行性の内耳性難聴を呈する。
●GJB2遺伝子バリアントによる難聴の大部分は常染色体潜性遺伝形式をとり,新生児聴覚スクリーニングを契機に診断に進むことが多い。
●補聴器,人工内耳が有用であり,早期の装用開始,療育開始が重要である。
●稀に難聴が非対称の例や進行する例もあるので注意を要する。これらは特定のバリアントあるいはGJB2以外の遺伝子や環境因子が関与していることが推測されるが,現時点では原因は特定されていない。
●稀に常染色体顕性遺伝形式を呈するGJB2遺伝子バリアントによる難聴の例がある。顕性遺伝形式をとるGJB2遺伝子による難聴では,稀に皮膚症状を伴う例があるため留意が必要である。

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