増大号特集 睡眠の正しい理解を促す70のトリビア
Ⅳ章 睡眠障害の治療
Q51 発達障害の睡眠・覚醒リズムを整えるよい方法はありますか?
伊東 若子
1
1眠りのクリニック神楽坂
キーワード:
注意欠如多動症
,
attention deficit hyperactivity disorder
,
ADHD
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
概日リズム睡眠覚醒障害
,
circadian rhythm sleep-wake disorders
,
CRSWD
,
メラトニン
,
melatonin
Keyword:
注意欠如多動症
,
attention deficit hyperactivity disorder
,
ADHD
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
概日リズム睡眠覚醒障害
,
circadian rhythm sleep-wake disorders
,
CRSWD
,
メラトニン
,
melatonin
pp.743-746
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670050743
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A 発達障害における睡眠・覚醒リズムの障害は,神経生物学的要因と発達障害による特性が複雑に絡み合っています。注意欠如多動症(ADHD)の場合,ADHDの特性が睡眠・覚醒リズムに影響を及ぼすことが多く,多動性が強いADHD児の場合,なかなか寝ようとせず,就床時刻が遅くなりがちです。思春期以降になると,時間の見積もりの甘さや,時間経過の体感のズレなどが就床時刻を遅らせます。自閉スペクトラム症(ASD)の場合は,メラトニン異常の問題から生来的に睡眠・覚醒リズムが崩れやすく,さらに適切な光曝露や社会的接触が少なくなっていることが多いため,これらが睡眠・覚醒リズムのさらなる悪化を引き起こす一因となります。睡眠・覚醒リズムが崩れていた場合,両者ともメラトニンや適切な時間帯の光の曝露など,睡眠・覚醒リズム障害としての治療が必要ですが,それぞれの障害特性を理解した上での行動的なアプローチも必要です。

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