特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
【各論Ⅱ】「こんな時どうすればいい?」Q&A—日常診療+αの場面より
Q4「同僚(医師)が発達障害ではないか」と思ったら?
吉川 徹
1
1愛知県医療療育総合センター中央病院 子どものこころ科
キーワード:
発達障害
,
神経発達症
,
自閉スペクトラム症
,
ASD
,
非障害性自閉症スペクトラム
,
注意欠如多動症
,
ADHD
,
成人
Keyword:
発達障害
,
神経発達症
,
自閉スペクトラム症
,
ASD
,
非障害性自閉症スペクトラム
,
注意欠如多動症
,
ADHD
,
成人
pp.1077-1079
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
自閉スペクトラム症が疑われる研修医
患者:29歳、男性。後期研修医。
家族歴:不明。父も医師であるという。
現病歴:1浪1留にて医学部を卒業後、初期研修を経て、今年度から後期研修医として「総合診療」の専門研修を開始した。患者から「話をする時に視線を合わせず、態度も悪い」との苦情が看護師や上級医に伝えられることが、複数回あった。そのほかにも、指示されたことが実施できていないことも多いなど、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)の存在が疑われる状況がみられた。
上級医とともに失敗のパターンを検討し、患者には挨拶時に視線を合わせる習慣をつくる、指示は極力電子カルテのチャット機能を用いるなどの対応により、業務上のトラブルはいくらか減少した。その後、上級医から精神科の受診を勧奨し、両親の協力も得られ、ASDの確定診断につながった。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.