Japanese
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特集 脊椎脊髄のエクステンデッド・リアリティ(XR)
VRを用いたリハビリテーションによる高齢者の運動機能向上の取り組み
Virtual Reality-based Rehabilitation to Improve the Locomotor Function of Elderly People
三浦 紘世
1
,
山崎 正志
1
Kousei MIURA
1
,
Masashi YAMAZAKI
1
1筑波大学医学医療系整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
バーチャルリハビリテーション
,
virtual rehabilitation
,
仮想現実
,
virtual reality
,
センシング技術
,
sensing technology
Keyword:
バーチャルリハビリテーション
,
virtual rehabilitation
,
仮想現実
,
virtual reality
,
センシング技術
,
sensing technology
pp.431-433
発行日 2023年8月23日
Published Date 2023/8/23
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202106
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はじめに
超高齢社会となった現在,社会問題といえるロコモティブシンドローム(ロコモ)に介入し運動器機能を維持して,要介護状態に陥ることを防ぐ取り組みは大変重要である.一方で,身体機能を維持・向上させるために歩行動作や立ち座り動作などの日常生活動作について反復的に運動を行うことが重要となるが,単純な反復動作によるリハビリテーションを行うにあたって高齢者が意欲を維持して,かつ効果的に行えるような工夫をすることが望ましい.
その工夫の1つとして,virtual rehabilitationが挙げられる.Virtual rehabilitationとはvirtual reality(VR)技術を応用したリハビリテーションの総称であるが,欧米に比べて本邦ではまだ馴染みが薄いのが現状である.意外ではあるが,1990年頃にはVR技術が早くも用いられ始めており,欧米ではすでに1990年代からリハビリテーションに応用された報告が散見される.その後,コンピュータ技術の大きな進歩により,2016年はVRを用いたさまざまな技術や商品が開発され,より一般的な使用が可能となったことからVR元年と呼ばれている.以降,欧米を中心に,特に脳血管障害を対象としてvirtual rehabilitationを実施した報告が飛躍的に増加してきている.
本稿では,高齢者の運動器機能向上に向けたvirtual rehabilitationに関する国内外の近年の動向と,筆者らの今後の試みを概説する.
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