増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
7章 腹部エコー領域:準緊急所見
消化管穿孔
竹之内 陽子
1
,
畠 二郎
1
,
谷口 真由美
1
,
岩﨑 隆一
1
,
小倉 麻衣子
1
,
火口 郁美
1
,
木村 正樹
1
,
天野 唯
1
1川崎医科大学附属病院中央検査部
キーワード:
消化管穿孔
,
フリーエアー
,
free air
,
汎発性腹膜炎
Keyword:
消化管穿孔
,
フリーエアー
,
free air
,
汎発性腹膜炎
pp.436-441
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700040436
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はじめに
消化管穿孔は,種々の原因で消化管に孔が開き,内容物が腹腔内に漏出し,腹腔内が汚染されることによって汎発性腹膜炎を引き起こす急性腹症の代表疾患である.消化管穿孔は全ての消化管に生じる可能性があるが,穿孔部位によって一般的にTreitz靱帯を境に,それより口側を上部消化管穿孔,肛門側を下部消化管穿孔としている.上部消化管穿孔の原因は消化性潰瘍や異物,医原性などがあり,下部消化管穿孔のそれはがん,憩室炎,特発性の消化管穿孔,炎症性腸疾患,外傷など多岐にわたる.上部消化管穿孔では,輸液や抗菌薬,減圧による保存的な加療が選択されることがあるが,下部消化管穿孔では腹腔内に漏出した腸液が便汁であるため腹腔内汚染が高度であり,基本的には緊急手術が選択される.
日本超音波医学会から提唱されているパニック所見の「準緊急所見」1)には,フリーエアー(free air)は“ほぼ消化管穿孔の確定診断となる.いずれの部位にも生じる可能性があり,潰瘍穿孔,悪性腫瘍,異物,虚血など原因もさまざまである.胃や腸管の内容物が腹腔内へ放出されることにより,強い疼痛を伴って突然発症し,悪心・嘔吐がみられる.放置することで致死率が急激に上昇するため迅速に外科的治療が必要となる”と記載されている.
本稿では,消化管穿孔の超音波像(主所見)および消化管穿孔を疑う超音波像(副所見)について,症例を交えながら解説する.

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