増大号 超実践! 病理で迫るがんゲノム医療—検査から治療まで
4章 がんゲノム検査の臨床的有用性の現状:治験など
がんゲノムプロファイリング検査やコンパニオン診断の結果から実施される治療例
水野 孝昭
1
1慶應義塾大学医学部がんゲノム医療センター
キーワード:
がんゲノムプロファイリング検査
,
CGP検査
,
コンパニオン診断
,
がんゲノム医療
,
分子標的薬
,
遺伝子パネル検査
Keyword:
がんゲノムプロファイリング検査
,
CGP検査
,
コンパニオン診断
,
がんゲノム医療
,
分子標的薬
,
遺伝子パネル検査
pp.1167-1168
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690101167
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がんゲノム医療とは,がんの原因となる遺伝子変化に基づいて患者一人一人の特徴に合わせた診断・治療を行う医療である.イレッサ®を皮切りに,この四半世紀の間に次々と効果的な分子標的薬が開発された.選択肢の増加に伴い,単一遺伝子検査であるコンパニオン診断から,がんゲノムプロファイリング(comprehensive genomic profiling:CGP)検査に,より網羅的なゲノム情報を把握するニーズが増大してきたことは,本増大号の他の項目でも述べられている通りである.
コンパニオン診断が単一の薬剤の使用適応を判断するのに対して,CGP検査の実施目的は大きく次の3つに分けられる.①診断に資する情報の収集,②保険適用可能な治療の提案,③試験的治療(治験など)の提案の3つである.①については他稿に譲るとして,本稿では特にCGP検査における②,③の保険適用可能な治療,試験的治療について次の模擬症例をもとに解説する.
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