腹壁ヘルニア修復術道場・9
傍ストーマヘルニア
諏訪 勝仁
1
Katsuhito SUWA
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院外科
キーワード:
傍ストーマヘルニア
,
Sugarbaker
,
Pauli
Keyword:
傍ストーマヘルニア
,
Sugarbaker
,
Pauli
pp.613-622
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800050613
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
傍ストーマヘルニア(parastomal hernia:PSH)はストーマ作成後最頻の合併症であり,術後1年目までに30%以上,2年までに40%,それ以降は観察期間に応じ50%以上に発生する1).PSHは膨隆以外の症状に乏しいことが多く,経過観察されることが多いものの,嵌頓,絞扼などによる緊急手術や,疼痛,ストーマ装具貼付困難,負の整容性変化などにより待機的手術に至ることも少なくなく,30%以上の患者が手術を必要とすると考えられている2).このためストーマにかかわる外科医はPSHについて熟知すべきであるが,診療に関する明確なエビデンスは確立していない.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.