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秋田県は本州の最北青森県の南で日本海に面している.みちのく,蝦夷などと呼ばれるが,平安武士活躍の場であり歴史・文化は古い.秋田県は国の重要無形民俗文化財が最多であり,ナマハゲ,竿燈,かまくら,西馬音内(にしもない)盆踊りなど挙げるときりがない.大曲の花火も有名で今は季節ごとに打ち上げられている.冬はスキー,スノボ愛好者にとって天国である.何しろ人気のラーメン店以外で行列を作ることはないのでリフト待ちもない.それに知られていないがマリンスポーツの穴場である.海流のため水温が高く長期間サーフィンができる.海,渓流,ワカサギ釣りもできるし,秘湯がそこかしこから湧き出ている.水,米,酒,魚が美味しい.
秋田県の病院には秋田大出身者が多くなったが,競争のない社会の常なのか,大学に関係なく和気藹々である.県外から来ても心配なく過ごせることは受け合える.市立秋田の外科は,院長を除く10名全員が50歳以下,平均37歳である.そんな統計があるか知らないが,手術数と年齢を指標に割り出すと全国で最も若い部類に入るだろう.女性は3名である.研修理念は,①十分な術者数,②都会のhigh volume centerに遅れない技術,③若手の裁量尊重である.専攻医は年100例以上の全麻手術を行う.腹腔鏡がメインで,2年前にロボットを導入し大腸・胃・肝・膵で200例余り行った.日本肝胆膵外科学会の修練施設でもある.4年目以下を除く全員が外科専門医,消化器外科専門医を取得し,内視鏡外科技術認定医3名,肝胆膵高度技能専門・指導医3名,ロボットプロクター2名という布陣である.つまり,若き指導者がさらに若い医師を手ぐすね引いて待っており,実際若い医師がロボットや膵頭十二指腸切除術(PD)をやっている.
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