Japanese
English
臨床報告
術前CTで左門脈を同定し腹腔鏡下幽門側胃切除を施行した早期胃癌の1例
A case of laparoscopic distal gastrectomy for early gastric cancer with left portal vein which identified on preoperative CT
川本 貴康
1
,
金澤 卓
1
,
畑 七々子
1
,
田村 周太
1
,
友松 宗史
1
,
柚木 茂
1
Takayasu KAWAMOTO
1
1松山市民病院外科
キーワード:
破格
,
左門脈
,
胃癌
Keyword:
破格
,
左門脈
,
胃癌
pp.109-113
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800010109
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
患者は75歳の男性.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部大彎に30 mm大の0-Ⅱa+Ⅱc型胃癌を認め,内視鏡的粘膜下層切除術を施行されたが,内視鏡的根治度C-2で追加切除の方針となった.術前CTで左胃静脈は門脈左枝に流入しており,左門脈と考えた.腹腔鏡下幽門側胃切除D1+郭清を施行,手術所見では左胃静脈は肝胃間膜内を走行し肝門部へ流入しており,術前同様に左門脈と判断し切離した.術後は一過性に肝機能異常をきたしたが徐々に軽快し,周術期合併症はなく術後10日目に退院した.左門脈は稀な破格ではあるが,注意すべき血管分岐である.今回,術前に左門脈を同定することで,術中にも躊躇せず切離でき安全に手術を施行できたので報告する.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.