Japanese
English
臨床報告
術中に判明した停留精巣に対し,精巣固定術を併施した高齢者鼠径ヘルニアの1例
A case of an elderly patient with inguinal hernia treated with orchiopexy for cryptorchidism discovered during surgery
佐原 稚基
1
,
中村 匡視
1
,
辻 俊明
1
,
山口 和哉
1
Masaki SAHARA
1
1ひだか病院外科
キーワード:
停留精巣
,
鼠径ヘルニア
,
成人
Keyword:
停留精巣
,
鼠径ヘルニア
,
成人
pp.103-108
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800010103
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要旨
症例は78歳,男性.両側鼠径ヘルニアの診断で腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った.その際,剝離操作にて腹腔側に精巣が露出し,停留精巣の合併が判明した.術前に停留精巣が診断されていれば,鼠径部切開法や腹腔鏡下での手術,あるいはこれらの併用によって,鼠径ヘルニアとの同時手術も可能である.しかし,成人での停留精巣の合併は稀であるため,術前診断が容易ではない場合もある.
一般に,成人の停留精巣では癌化のリスクがあるため,精巣摘出術を行うのが妥当であろう.しかしながら,術中に偶然判明した場合では,症例毎の状況に応じた判断が必要であり,その結果として精巣固定術の併施も選択肢の1つになりうると考えられた.
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