Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン」—過去の遺骨収集の暴力性に対峙する静謐な映像記録
二通 諭
1
1札幌学院大学
pp.459
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220540040459
- 有料閲覧
- 文献概要
筆者は,短編ドキュメンタリー「八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ」(監督/藤野知明,本誌2019年7月号本欄参照)に正対するまで,明治時代から戦後にかけて,アイヌの墓から人骨を持ち去った研究者がいたこと,国内外の大学,研究機関に約1,600体のアイヌ遺骨が置かれたままになっていたということに関心を寄せていなかった.
そんな筆者に対して,同作に「コタンの会」代表として登場しているアイヌの清水裕二が,あるシンポジウムで自身への和人(アイヌ以外の日本人)によるいじめと差別の経験を語る途中,客席にいた筆者に視線を向け,「和人でもそこにいる二通さんは別だけど」との言葉を発した.筆者と特別支援学校長を務めた清水との間には,障害児教育実践者として子供の権利保障に注力してきたという共通項はあったが,アイヌの課題での接点はなかった.それゆえ,筆者は清水の褒め言葉に赤面を余儀なくされたが,その後のアイヌへの関心を高めるエピソードとなった.
Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

