特集 中小病院はこれでいいのか
医療法人の病院チェーン化は一九八〇年代後半以降どのくらい進んだか
二木 立
1
1日本福祉大学
pp.1000-1005
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901365
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はじめに
私的病院,特に医療法人病院の生き残り戦略の一つに「チェーン化」がある.「チェーン化」には,単一の法人が複数の病院を開設する「所有面でのチェーン化」だけでなく,各病院所有権はそのままにして経営管理を系列化する「経営面でのチェーン化」がある1).さらに,単一の法人が,病院だけでなく,老人保健施設,特別養護老人ホーム,有料老人ホーム,健康増進施設,さらには訪問看護ステーションや在宅介護センターなどを開設して,「ヘルスケア・グループ」「保健・医療・福祉複合体」を形成するのも,広義の「チェーン化」と言える2-4).
医療法人を中心とした私的病院の「所有面でのチェーン化」については,5年前の本誌上で詳しい実証研究を行い,医療法人の病院チェーン化が,1970年代末〜1980年代前半(1979〜1984年)に飛躍的に進んだことを明らかにした5).今回は,その後に発刊された「平成3年全医療法人名薄」(厚生省健康政策局指導課監修,日本医療法人協会発行.調査データは1991年4月1日現在)等を用いて,1980年代後半〜1990年代初頭(1984〜1991年)の医療法人病院チェーンの変化を検討したい.
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