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特集 外科臨床に役立つ統計学
II. 各論
1.「当科の過去30年の〇〇手術の分析」の落とし穴
Pitfall of so-called retrospective case series study
本多 通孝
1
M. Honda
1
1福島県立医科大学低侵襲腫瘍制御学
キーワード:
後ろ向き研究
,
症例集積研究
,
交絡調整
Keyword:
後ろ向き研究
,
症例集積研究
,
交絡調整
pp.810-813
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka82_810
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単施設の症例集積研究は若手医師が取り組むべき最初の臨床研究である.自施設の過去の治療結果を振り返り,明日からの手術に役立てるという作業が臨床医を臨床医たらしめているのであり,それをおろそかにする者に未来はない.アウトカムを分析するうえで,必ず考えなければならない三つの重要なポイントは,適応交絡,時代背景の変遷,恣意的な検定による第一種過誤である.研究限界を理解しつつも,データの観察眼・分析力を養うことで臨床研究から得られる気づきは大きくなる.
© Nankodo Co., Ltd., 2020