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はじめに
学童期のスポーツ外傷・障害(図1)は,成長期のため早期発見・早期治療の実施により,多くの疾患は基礎療法,リハビリテーション療法,薬物療法などの保存療法で治癒可能である.そして,子供たちがけがや病気から復帰し,楽しく運動やスポーツをしていることは,本人,保護者,指導者のみならず医療関係者にとっても歓びである.その保存療法の代表が「リハビリテーション医療」である.
スポーツの世界で活躍する多くの選手がいる一方,その栄光の影に多くの子供たちが,スポーツ傷害(外傷・障害)が原因で大好きなスポーツを継続することができなくなっている.そこで本稿では,早期発見・早期治療(リハビリテーション医療)の重要性を再認識し,実臨床ですぐに役立つ「学童期のスポーツ外傷・障害」とその「リハビリテーション医療」を概説する.
スポーツ外傷・障害のリスクファクターとして,内的要因(遺伝,年齢,性別,身長や体重など)と外的要因(環境として悪天候や不良な路面,不適切な靴・道具,ウォーミングアップ不足や不適切なトレーニングなど)がある.予防や治療にあたっては,リスクファクターへの対応が基本であり,普段からウォーミングアップ・クーリングダウンと応急処置(RICE療法:R;Rest安静,I;Icing冷却,C;Compression圧迫,E;Elevation挙上)が重要である.受傷後はスポーツ活動の制限は必要最低限として,リスクファクターの再認識・対応,傷害部位ならびに全身のリコンディショニングが必要不可欠である.したがって,医師・メディカルスタッフ,選手・保護者や指導者などのスポーツ界が,密接に連携しあう基礎療法とリハビリテーション療法が中心となる1,2).

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